インドネシア政府認可のもと、マングローブ植林保全事業を行っています。

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顕在化する環境問題

『自然環境』という資産

すべての生物の存在基盤である「自然」は、私たちに食物やエネルギーなど多様な恵みを与えてくれる一方で、不要な廃棄物を分解・再生して自然環境の中で循環させることでそのバランスを維持してきました。

今、この巨大な『循環システム』が崩壊しようとしています。

オゾン層の破壊、地球温暖化、砂漠化の進行、異常気象の多発・・今、世界各地で自然環境の構造が大きく変化したのではないかと懸念される現象が観られています。

このような現象は人間活動に起因しているといわれており、私たちは「被害者」であると同時に「加害者」という立場を認識する必要があるようです。

科学や技術、経済産業の発展は自然環境の安定という「資産」がなければ実現できず、特定の国や地域、産業や企業といった主体だけではなく、 個々人も含めたすべての主体が解決に向けて取り組まなければならない問題です。

公害問題から地球環境問題へ

昨今、環境問題という言葉を耳にする機会が増え、まず思い浮かぶ懸念事項は地球温暖化ということではないでしょうか。

2005年2月に京都議定書が発効し、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出削減が国内外で求められるようになり、これまでとは異なる視点で環境問題を考える時代に入りました。

一言に環境問題と表現される懸念事項は時代と共に変化してきました。

1960年代、水俣病やイタイイタイ病などの公害問題が発生し、企業は公害防止や補償といった対応を迫られました。米国で『沈黙の春』(レイチェル・カーソン著)が出版されたのもこの時期でした。

因果関係の是非に関係なく公害問題には明確な「被害者」が存在し、「加害者」の責任が問われ、原因究明と改善策が採られる中で問題の解決が図られてきました。

1970年代、日本では公害対策基本法(改正法)制定、環境庁(現環境省)発足、 米国環境保護局の発足など国内外で環境に関する規制・監督が整備されると同時に、 国連人間環境会議開催、国連環境計画(UNEP)発足、ワシントン条約(※1) やロンドン条約(※3) の採択など国際的な環境保全の動きが活発になった時期でした。

経済産業の発展にともなう公害問題は上述のように被害と原因が存在しその対策を早急に行うことで被害を最小限にすることは可能でした。

しかし環境問題の中には明確な被害の存在が確認できず、そのために原因が特定できないといったものが少なくありません。

地球温暖化問題について2013年~2014年に公表された最新のレポート(※3)では、地球が温暖化している事は疑う余地がない事実であるとされています。
明確な原因が示されましたが、ある特定の「加害者」によるものではなく、すべての人間活動が原因であり、被害は今後数十年にわたって起こり得るとしています。

このように被害と原因が不明確であるにもかかわらず、深刻な被害が想定され、しかもその進行が目に見えにくいのが環境問題の特徴です。

※1 野生動植物の国際取引を規制する国際条約(1975年発効)
※2 海洋投棄に関する国際条約(1975年発効)
※3 環境省 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)